労働基準法には、年俸制という概念がないことから、同法24条の定めに従って、その名称に係らずその支給額が確定しているものは、少なくとも「毎月1回以上定期に」賃金を支払わなければならないという事になります。
賞与とは、定期又は臨時に、原則として勤務成績に応じて支給されるものであって、その支給額が予め確定されていないものをいうこと。定期的に支給されかつその支給額が確定しているものは、名称の如何にかかわらず、これを賞与とはみなさないこととされています。
したがってその年俸額の一部をいわゆる賞与として支払うことは労働基準法24条にいう賞与とはみなされず、それをたとえば年2回に分けて支払うことは、法に抵触することになります。
しかし、確定している年俸額とは別に賞与計算期間における業績評価により賞与を別途支給することについては違法ではありません。一般的によく採用 されている方法としては、賞与として支払う16分の4を賞与の最低補償額とし、評価次第でその額から一定額を増減して支給する方法であれば、予め確定して いるものにはあたらないことになり、法律違反ではなくなります。
年棒制を導入する際には就業規則の変更手続も必要ですし、その変更が労働者にとって不利益になる可能もあるので、社労士に依頼すべきです。