労働基準法第91条では「就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の10分の1を超えてはならない。」としています。
どのような場合の減給でもこれを守らないといけないか、という疑問については、自動車運転手の例を挙げた以下のような行政解釈があります。
「使用者が、交通事故をひき起こした者を助手に格下げし、したがって賃金も助手のそれに低下せしめるとしても、交通事故をひき起こしたことが運転手として不適格であるから助手に格下げするものであるならば、賃金の低下は、その労働者の職務の変更に伴う当然の結果であるから法第91条の制裁規定の制限に抵触するものではない。」
よって、職務の変更、役職の変更などに伴う減給であるならば制限は無いということです。
従来と同一の職務に従事させながら、賃金額だけを引き下げるいわゆる降給については、労働基準法第91条の減給の制裁に該当しこの規定の制限を受けるということになります。