厚生労働省は、このほどパートタイム労働者と正社員の待遇の均等・均衡を図るため、それぞれの仕事の大きさを点数化して比較する「要素別点数法による職務評価の実施ガイドライン」を作成し公表しました。また、パート労働ポータルサイトも開設されました。
現在、わが国のパートタイム労働者は雇用者全体の4分の1以上を占め、重要な役割を果たしていますが、その待遇が働き・貢献に見合ったものになっていない場合があると指摘されています。
このため、ガイドラインでは、自社のパートタイム労働者と正社員について、仕事の大きさと待遇のバランスが取れているかを確認するための手段として、職務評価の中でも「専門性」、「革新性」及び「問題解決の困難度」等といった評価項目ごとに点数化して比較する「要素別点数法」による職務評価の実施方法を紹介し、その結果を踏まえたパートタイム労働者の雇用管理の見直し方法についても解説しています。
◎ガイドラインについて
・ パートタイム労働者と正社員との仕事の大きさを数値で容易に比較できる「要素別点数法」による職務評価の実施方法について解説(評価結果を図に示すことにより、パートタイム労働者と正社員との待遇の状況を視覚的に把握可能)
【職務(役割)評価ポイントの算出図表】
(ア)評価項目:ポイントをつける際の評価指標
(イ)ウェイト:評価項目ごとの重要性
(ウ)スケール:評価項目ごとにポイントをつける際の尺度
(エ)ポイント:ウェイト×スケール=ポイント
(オ)ポイント合計:労働者ごとの職務の大きさの違いが示されます。
評価項目 | 定 義 | ウェイト | Aさん パート労働者 | Bさん 正社員 | ||
スケール | ポイント | スケール | ポイント | |||
人材代替性 | 採用や配置転換によって代わりの人材を探すのが難しい仕事 | 1 | 2 | 2 | 2 | 2 |
革新性 | 現在の方法と全く異なる新しい方法が求められる仕事 | 1 | 1 | 1 | 2 | 2 |
専門性 | 仕事を進める上で特殊なスキルや技能が必要な仕事 | 2 | 2 | 4 | 2 | 4 |
裁量性 | 従業員の裁量に任せる仕事 | 1 | 1 | 1 | 2 | 2 |
対人関係の複雑さ(部門外/社外) | 仕事を行う上で、社外の取引先や顧客、部門外との調整が多い仕事 | 2 | 2 | 4 | 2 | 4 |
対人関係の複雑さ(部門内) | 仕事を進める上で部門内の人材との調整が多い仕事 | 1 | 3 | 3 | 3 | 3 |
問題解決の困難度 | 職務に関する課題を調査・抽出し解決につなげる仕事 | 2 | 1 | 2 | 2 | 4 |
経営への影響度 | 会社全体への業績に大きく影響する仕事 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 |
ポイント合計 |
|
| 18 |
| 22 |
・ 「要素別点数法」による職務評価を利用したパートタイム労働者の雇用管理(格付け制度、賃金制度等)の見直し方法について解説
なお、ガイドラインとガイドラインに基づく職務評価を簡便に行うことができる「ITツール」は、「パート労働ポータルサイト」からダウンロードすることができます。