わが国の非正規雇用の労働者が雇用者全体の3分の1を超えるに至っており、人材が最も重要な資源である日本において、この非正規雇用の労働者を「人財」として企業、業界団体、公的部門等社会全体で育成し、その付加価値を高めて処遇の改善につなげる取り組みが急務であると指摘されています。

労働者派遣制度に関わる論点概要

◎登録型派遣の在り方について

・登録型派遣は、豊富な雇用機会の提供、紹介予定派遣などによる安定雇用への橋渡し、迅速な需給調整機能等を有しており、派遣先・派遣労働者双方のニーズを満たすために不可欠な仕組み。

・登録型派遣は、派遣契約の不更新・解除が、労働者の雇用喪失に直結する。登録型派遣がある限り、不況時等の雇止め・解雇が繰り返されるため、労働者保護の観点からも登録型派遣を原則禁止し、派遣は常用型のみとすべき。

◎製造業務派遣の在り方について

・製造業務派遣の禁止には6割の派遣労働者が反対。リーマンショック後の2009年の調査でもほぼ同じ割合。登録型派遣と同様、改善の余地があることは確かだが、問題点を改善しながら継続していくべき。

・労働者及びメーカーの双方のニーズに対応した労働力の需給調整システムであり、わが国のもの作りの基盤を支えるもの。産業空洞化を回避するためにも、禁止や規制強化を行うべきではない。

・優良健全な派遣会社を選択しやすくするための基準として、製造派遣の優良適正事業者認定制度を創設してはどうか。(製造系派遣元(一般))

◎特定労働者派遣事業の在り方について

・一部の特定労働者派遣事業者は、一般労働者派遣の資産要件を満たせないために特定の届出をしており、実態としては、短期の雇用契約を反復し、派遣契約終了と同時に雇用契約も終了するような派遣を行っている。

・特定労働者派遣事業と一般労働者派遣事業とを統合して1つの制度とするか、特定も一般と同様の基準による許可制とすべき。

・無期雇用の労働者派遣であれば、労使が協調してより良い働き方を模索できるのではないか。(技術系派遣労働者)

◎派遣可能期間の制限の在り方について

【現状】

・平均派遣期間はIT分野で2〜3年、機械・電子工学の分野で3〜5年、化学分野で5〜10年。(技術系派遣元)

・平均派遣期間は26業務で7〜23ヶ月、自由化業務で8ヶ月程度。(事務系派遣元(一般))

・製造・物流業務での派遣契約は2〜6ヶ月単位の契約が多く、リワークや短期作業のニーズが多い。(製造系派遣元)

・家庭の事情等により派遣という働き方を選んでいる人たちがより希望に応じた働き方を選択できるよう、業務の区分や派遣期間をフレキシブルなものにしてもらいたい。(事務系派遣元)

【規制の在り方】

・派遣労働を「キャリア形成を支援する労働」と位置付け、冗長な派遣労働力の利用を防止するとともに、労働者にとって公平なルールとするため、26業務という区分を撤廃した上で、派遣元で無期雇用の者を除き、同一の派遣労働者について、同一の派遣先(部署/業務)での派遣期間の上限を設けるべき。

・EU各国の制度を大まかにみると、業種や事由を制限する入口規制ではなく、一定期間雇用した場合に解雇規制や直接雇用への転換義務が生じる出口規制が主流になってきている。

◎派遣労働者の処遇について(均衡待遇、労働・社会保険の適用促進を含む)

【均衡待遇】

・派遣労働者の処遇については、派遣法第30条の3で「派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者等について、労働条件の向上を図るために必要な措置を講ずるように努めなければならない」旨規定しており、この趣旨を徹底することにより、改善を図るべき。

【労働・社会保険の適用】

・派遣労働者には、労働契約を締結する前に各保険の加入義務と保険料について説明し、同意してもらっている。(製造系派遣元)

・労働・社会保険の適用は、派遣労働者に限らず非正規労働者全体に関わる問題。社会保険制度全体の問題として取り組むべき

◎改正労働者派遣法等について

・日雇派遣については、派遣労働者・派遣先双方のニーズ、メリットが大きく、禁止を撤回するべき。家計補助や就職活動中のつなぎ収入のために短期で働きたいという労働者の多くが年収制限に抵触するため家計の補助ができなくなっており、ニーズに応えられるような制度とすべき。日雇専門の派遣元責任者の選任や安全衛生管理の徹底強化などを前提に禁止を撤回することも考えられる。

・ペナルティとしての労働契約申込みみなし制度は、採用・就職の自由に抵触するため撤廃すべき。

・マージン率の情報公開については、誤解を招く恐れがあること、事業の高度化を阻みかねないこと、派遣業界だけが義務付けられることは公平性の観点から問題があることから、撤回すべき。

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