平成19年12月に、「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」と「仕事と生活の調和推進のための行動指針」が「仕事と生活の調和推進官民トップ会議」において策定され、以来、官民一体となり仕事と生活の調和のとれた社会構築を目指して各種取組が進められてきましたが、この程、その定点観測の取り纏めが公表されました。

レポートの概要

◎仕事と生活の調和実現の状況総括

・数値目標を設定した14項目のうち、「憲章」・「行動指針」策定時と比較できる項目について見ると、改善は7項目、悪化は2項目となっている。

・就業率(25歳〜44歳女性、60〜64歳)、週労働時間60時間以上の雇用者割合、年次有給休暇取得率、メンタルヘルスケアに関する措置を受けられる職場の割合、保育等の子育てサービスを提供している割合、男性の育児休業取得率、6才未満の子どもをもつ夫の育児・家事関連時間については改善がみられた。

項  目

2006年(策定時)

2011年(現状値)

2020年(目標値)

就業率

25歳〜44歳女性

64.9%

66.8%

73%

60歳〜64歳男女

52.6%

57.1%

63%

週労働時間60時間以上の雇用者の割合

10.8%

9.3%

10.0%(2008年)

から5割減

年次有給休暇取得率

46.6%

49.3%

70%

メンタルヘルスケアに関する措置を受けられる職場の割合

23.5%

(2002年)

43.6%

100%

保育等の子育てサービス提供割合

保育サービス3歳未満児

20.3%

(2007年)

25.3%

(2012年)

44%

(2017年度)

放課後児童クラブ

(小学1〜3年)

19.0%

(2007年)

22.9%

(2012年)

40%

(2017年度

男性の育児休業取得率

0.50%

(2005年)

2.63%

13%

6才未満の子どもをもつ夫の育児・家事関連時間(1日当り)

60分

67分

2時間30分

◎就労による経済的自立

・非正規雇用者の雇用者全体に対する割合は、男性については、2000年代半ば以降は20%近くで推移しています。また、女性については、2000年代半ば以降50%を超えて推移しています。

・非正規雇用労働者が現在の働き方を選択した理由を見ると、「自分の都合のよい時間に働けるから」という積極的な理由は減少し、「正社員として働ける会社がなかった」という非積極的な回答が増えています。

・フリーター(15〜34歳のパート・アルバイト及びその希望者)の数は、2004年以降5年連続で減少しましたが、2009年に増加に転じました。2011年と前年を比べると、15歳〜24歳の層では増加しており、25〜34歳の年齢層では横ばいとなっています。

・正規の社員・従業員に拘らない働き方は、家庭との両立などその人の置かれた状況や年代などに応じた多様な働き方の一つとして自発的に選択される場合もありますが、希望する職に就けないため、やむを得ず選択されている場合もあり、社会保障のセーフティネットが十分でないといった問題も指摘されています。

◎健康で豊かな生活のための時間の確保

・年間総実労働時間についてみると、全労働者の年間総実労働時間は減少傾向にあるものの、それを一般労働者とパートタイム労働者に分けてみると、2008年まではそれぞれの年間総実労働時間はほとんど減っておらず、全労働者の労働時間の減少はパートタイム労働者比率の増加によってもたらされていたことがわかります。2009年には景気の悪化の影響により前年に比べて大幅に減少し、2011年には、一般労働者とパート労働者のそれぞれが、2009年以来2年ぶりに減少しました。

・年齢別男性の週労働時間60時間以上の就業者の割合をみると、2005年以降各年齢層で減少傾向にあり、一貫して30歳代の割合が最も高く、2011年は18.4%です。

・年次有給休暇取得率についてみると、1990年代半ば以降低下傾向にあり、2000年以降は50%を下回る水準で推移しておりますが、2011年は49.3%となり、2010年から2年連続で上昇しています。

・男性自身が仕事をやめたいと思ったことについてみると、労働時間が長くなるほど、仕事を辞めたいと思ったことがある者が増加する傾向が示されました。

◎多様な働き方・生き方の選択―仕事と子育ての両立について―

・女性の育児休業取得率は一定の定着を見ていますが、第1子出産前後の女性の就業経歴を見ると、就業継続している人の比率は、約4割のままで長期的にあまり変化していません。これを就業形態別にみると、正規の職員は就業を継続している者の割合が増加していますが、パート・派遣は就業を継続する者の割合は正規の職員に比べて少ない状況です。

・待機児童の数は2004年以降4年間減少してきたものの、保育所の定員増にもかかわらず、2008年〜2010年は3年連続で増加したが、2012年は2年連続で減少し、2万4,825人となっています。女性の就業意欲の長期的な高まりに加え、家計のために仕事に出たいという人が増えている状況においては、引き続き、特に都市部における保育所をめぐる状況は深刻です。

・男性の育児休業取得率についてみると、2.63%と非常に低い水準で推移しており、女性の育児休業取得率87.8%と比べ、依然男女間で大きな差があります。

・6歳未満の子どもをもつ夫の家事・育児関連時間についてみると、2006年は2001年に比べて12分増加しましたが、2011年は67分と2006年に比べて7分程度の増加にとどまり、引き続き低水準で推移しています。

・女性が活躍できる環境整備としても、また、子育てに関わりたいという男性の希望を実現させるためにも、仕事と子育ての両立は非常に大きな課題です。

◎多様な働き方・生き方の選択―仕事と介護の両立について―

 2025年(平成37)年には、総人口に占める65歳以上の人口の割合は、現在の約2割(23.0%)から約3割(30.3%)に増加すると推計されています。また、75歳以上の人口の割合も増加し、65歳以上の高齢者全体の約6割が75歳以上となると見込まれます。また、同居の親族の介護者は男女とも50歳代以上が多いことから、今後、高齢化の進展が見込まれる中で、仕事と介護の両立はますます重要な課題となっていきます。

 家族の介護や看護を理由とした離職・転職者数は男女とも年々増加傾向にあり、平成18(2006)年10月から19(2007)年9月の1年間で14万4,800人となっています。これを男女別にみると、女性の離職・転職者数は11万9,200人で、全体の82.3%を占めています。

 仕事と介護を両立するために必要な勤務先による支援は、出社・退社時刻の変更や残業をなくすといった勤務時間に関する配慮を求める人が多くいます。また、地域や社会に対しては、介護に関する情報の普及啓発や緊急時に対応できる介護サービスの利用といった支援をあげる人が多くいます。

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