中小企業の約9割を占める小規模企業は、経営資源の確保が特に困難であることが多く、近年、企業数・雇用者数ともに減少していると指摘されています。他方、小規模企業は地域経済の安定と経済社会の発展に寄与するという観点から重要な意義を有していることから、その事業活動の活性化を図ることが急務となっています。
◎法案の概要
(1)中小企業基本法の改正
小規模企業の事業活動の活性化を図る観点から、「基本理念」と「施策の方針」を明確化するとともに、海外展開の推進等、中小企業施策として今日的に重要な事項を新たに規定する。
(2)中小企業信用保険法、小規模企業共済法、商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律の改正
小規模企業の多様性に着目し、特定の業種について小規模企業者の範囲の変更を政令で行うことができるよう規定する。
(3)中小企業信用保険法の改正
資金調達の円滑化を図るため、信用保証の対象に電子記録債権を活用した資金調達(電子記録債権の割引等)を追加する。
(4)中小企業支援法の改正
ITを活用して、専門家やビジネスパートナーの紹介等を行う者を国が認定し、(独)中小企業基盤整備機構の協力等の支援措置を講ずる。
(5)下請中小企業振興法の改正
下請中小企業が連携して、自立的に取引先を開拓する計画を国が認定し、中小企業信用保険法の特例等の支援措置を講ずる。
(6)株式会社日本政策金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の改正
事業再生促進のため、(株)日本政策金融公庫及び沖縄振興開発金融公庫の業務に、債務の株式化業務(DES)を追加する。
(7)小規模企業者等設備導入資金助成法の廃止
小規模企業に対する金融措置の抜本強化に伴い、小規模企業者等設備導入資金助成制度を廃止する。
◎施行予定日
(1)〜(6)関連:公布から3ヶ月以内の政令で定める日
(7)関連:平成27年3月31日
【参考:中小企業基本法における「小規模企業者」の定義】
小規模企業者の定義について、以下のとおり規定されています。
・商業又はサービス業:概ね従業員数5人以下
・製造業等その他の業種:概ね従業員数20人以下