厚生労働省は、平成24年の「職場での熱中症による死亡災害の発生状況」をとりまとめ公表しました。それによると、昨年の職場での熱中症による死亡者は21人と、依然として多くの人が亡くなっており、熱中症予防対策の的確な実施が必要となっています。

厚生労働省では、職場での熱中症の予防について、

・WBGT値を測定することなどによって、職場の暑熱の状況を把握し、作業環境や作業、健康の管理を行う

・熱への順化期間(熱に慣れ、その環境に適応する期間)を計画的に設定する

・自覚症状の有無にかかわらず、水分・塩分を摂取する

・熱中症の発症に影響を与えるおそれのある、糖尿病などの疾患がある労働者への健康管理を行う

などの具体的な対策を定めています。

◎熱中症による死亡者数の業種別発生状況(平成22〜24年)

過去3年間(平成22〜24年)の業種別の熱中症の死亡災害の発生状況をみると、建設業が最も多く全体の約4割を占め、次いで製造業で全体の約2割を占めています。

業 種

建設業

製造業

農 業

運送業

警備業

林 業

その他

計(人)

平成22

17

9

6

2

2

1

10

47

平成23

7

 

2

 

3

2

4

18

平成24

11

4

 

 

2

2

2

21

計(人)

35

13

8

2

7

5

16

86

◎熱中症による死亡災害の時間帯別発生状況(平成22〜24年)

過去3年間(平成22〜24年)の時間帯別発生状況をみると、日中にほぼ平均的に発生しているが、15時台から16時台にピークがあります。

時間帯

9時

以前

10時台

11時台

12時台

13時台

14時台

15時台

16時台

17時台

18時

以降

計(人)

平成22

2

3

1

4

4

5

9

11

4

4

47

平成23

2

2

 

4

 

1

2

2

2

3

 

18

平成24

 

3

4

2

1

2

2

3

1

3

21

計(人)

4

8

9

6

6

9

13

16

8

7

86

※9時以前は0時台から9時台まで、18時以降は午18時台から23時台までを指しています。

◎平成25年の職場での熱中症予防対策の重点的な実施についての概要

1.建設業や、建設現場に付随して行う警備業では、特に次の4項目を重点事項とすること。

(1)WBGT基準値を超えることが予想される場合には、簡易な屋根の設置、スポットクーラーの使用、作業時間の見直しを行うとともに、単独での作業を避けること。

作業時間については、特に、7、8月の14時から17時の炎天下等でWBGT値が基準値を大幅に超える場合には、原則作業を行わないことも含めて見直しを図ること。

(2)作業者が睡眠不足、体調不良、前日に飲酒、朝食を食べていない、発熱下痢による脱水等の場合は、熱中症の発症に影響を与えるおそれがあることから、作業者に対して日常の健康管理について指導するほか、朝礼の際にその状態が顕著にみられる作業者については、作業場所の変更や作業転換等を行うこと。

(3)管理・監督者による頻繁な巡視や、朝礼等の際の注意喚起等により、自覚症状の有無に関わらず、作業者に水分・塩分を定期的に摂取させること。

(4)高温多湿な作業場所で初めて作業する場合には、順化期間を設ける等配慮すること。

2.製造業では、特に次の2項目を重点事項とすること。

(1)WBGT値の計測等を行い、必要に応じて作業計画の見直し等を行うこと。

(2)管理・監督者による頻繁な巡視や、朝礼等の際の注意喚起等により、自覚症状の有無に関わらず、作業者に水分・塩分を定期的に摂取させること。

【参考】

 人口動態統計月報(概数)の平成24年6〜9月分での熱中症による死亡者数は、685人(※)となっています。

(※労働者以外も含む人数)

お問合せ・ご相談はこちら

お電話でのお問合せ・ご相談はこちら
0476-46-5773

【千葉県 印西市の社会保険労務士ながや事務所のHP】
親切・ざっくばらんで相談しやすく、対応・処理が早い社労士です。
顧問契約、給与計算業務、労働保険・社会保険諸手続代行、就業規則作成・変更などのご依頼をお待ちしております。
数あるウェブサイトの中よりご訪問いただき本当にありがとうございます

対応エリア
千葉県 印西市・白井市・鎌ヶ谷市・八千代市・我孫子市・柏市・松戸市・流山市・野田市・習志野市・船橋市など