「個別労働紛争解決制度」は、個々の労働者と事業主間での労働条件や職場環境などをめぐる紛争の未然防止や早期解決を促進するための制度ですが、平成24年度の相談件数の中で、「いじめ・嫌がらせ」に関する相談件数が51,670件となり増加傾向にあります。
■平成24年度の相談、助言・指導、あっせんの概況
・総合労働相談件数:106万7,210件(前年度比3.8%減)
→うち民事上の個別労働紛争相談件数:25万4,719件(同0.6%減)
・助言・指導申出件数:10,363件(同8.1%増)
・あっせん申請件数 : 6,047件(同7.1%減)
なお、「個別労働紛争解決制度」は、個々の労働者と事業主間での労働条件や職場環境などをめぐる紛争の未然防止や早期解決を促進するための制度で、幅広い分野の労働問題を対象とする「総合労働相談」、個別労働紛争の解決につき援助を求められた場合に行う都道府県労働局長による「助言・指導」、あっせんの申請を受けた場合に労働局長が紛争調整委員会に委任して行う「あっせん」の3つの方法があります。
◎相談内容は、「いじめ・嫌がらせ」がトップ
・総合労働相談件数は、5年連続で100万件を超え、民事上の個別労働紛争に係る相談件数は、高止まり傾向。
・「いじめ・嫌がらせ」に関する相談は、増加傾向にあり、51,670件。民事上の個別労働紛争相談の中で最も多い結果。
【民事上の個別労働紛争に係る相談件数】
| 平成22年度 | 平成23年度 | 平成24年度 |
いじめ・嫌がらせ | 39,405 | 45,939 | 51,670 |
+10.2% | +16.6% | +12.5% | |
解 雇 | 60,118 | 57,785 | 51,515 |
-13.0% | -3.9% | -10.9% | |
労働条件の引下げ | 37,210 | 36,849 | 33,955 |
-2.4% | -1.0% | -7.9% | |
退職勧奨 | 25,902 | 26,828 | 25,838 |
-2.3% | +3.6% | −3.7% |
※下段は、対前年度比
◎助言・指導申出件数が過去最多
・助言・指導申出件数は、制度施行以来増加傾向にあり、初めて1万件を超える。
・あっせん申請件数はやや減少。
◎迅速な対応
・助言・指導は1ケ月以内に97.4%、あっせんは2ケ月以内に93.8%を処理。