道路交通法の一部改正法案が先の通常国会で可決成立しました。今回の改正では、無免許運転者への車の提供や同乗に罰則が新設され、免許の取得や更新時に運転に支障がある病状等の申告義務も図られます。また、自転車の悪質運転を繰り返した者に安全講習の受講が義務付けられ、さらに自転車の路側帯走行は車道左側に限定されます。

■道路交通法の一部改正法の概要

1.一定の病気等に係る運転者対策

(1)免許の拒否事由等とされている一定の病気等に該当する者を的確に把握するための規定の整備

ア.免許を受けようとする者等に対する病気の症状に関する公安委員会の質問制度及び虚偽回答に対する罰則整備

都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という)は、運転免許(以下「免許」という)を受けようとする者及び運転免許証(以下「免許証」という)の更新を受けようとする者に対し、病気の症状に関する必要な質問をすることができることとする。また、免許を受けた者に対し必要があると認めるときも同様とし、さらに、当該質問に虚偽の回答をする行為について、罰則を設ける。

※一定の病気とは、自動車等の運転に支障を及ぼすおそれのある病気等として免許の拒否又は取消し等の事由とされている以下の病気をいいます(なお、以下に掲げる病気にかかっている者であっても、自動車等の運転に支障を及ぼすおそれのある一定の症状を呈するものでなければ、免許の拒否又は取消し等の対象とはなりません)。

病気例:統合失調症、てんかん、再発性の失神、無自覚性の低血糖症、そううつ病、重度の眠気の症状を呈する睡眠障害、認知症等

イ.一定の病気等に該当する者を診断した医師による任意の届出制度

一定の病気等に該当する者を診断した医師は、その者が免許を受けていることを知ったときは、公安委員会にその診断結果を届け出ることができることとし、この場合、刑法の秘密漏示罪の規定その他の守秘義務に関する法律の規定は、当該届出をすることを妨げるものと解釈してはならないこととする。

(2)一定の病気に該当する者であることを理由に免許を取り消された場合における当該免許の取消しを受けた者の免許再取得に関する負担を軽減するための規定の整備

ア.一定の病気を理由に免許を取り消された場合における免許再取得時の試験の一部免除

一定の病気に該当する者であることを理由に免許を取り消された日から起算して3年を経過していない者が免許を再取得しようとする場合は、技能試験及び学科試験を免除することとする。

イ.一定の病気を理由に免許を取り消された場合に再取得した免許が継続していたものとみなす規定の整備

一定の病気に該当する者であることを理由に免許を取り消された日から起算して3年以内に次の免許を再取得した者に係る免許については、当該取り消された免許を受けていた期間及び当該次の免許を受けていた期間については継続していたものとみなす。

2.悪質・危険運転者対策

(1)無免許運転、その下命・容認及び免許証の不正取得の罰則の引上げ

無免許運転の根絶を図るため、免許を受けずに自動車等を運転した運転者に対する罰則を引き上げる。また、無免許運転の下命・容認及び免許証の不正取得に対する罰則についても同様に引き上げる。

(2)無免許運転幇助行為(自動車等の提供行為及び同乗行為)の禁止及び罰則規定の整備

無免許運転を根絶するため、無免許運転をするおそれのある者に対して自動車等を提供した者についても、自動車等の提供を受けた者が無免許運転をした場合には、無免許運転をした者と同等の罰則を設ける。

また、あらかじめ運転者が免許を受けていないことを知りながら、当該運転者に対し、自動車等を運転して自己を運送することを要求・依頼して、当該自動車等に同乗する行為についても罰則を設ける。

(3)取消処分者講習の受講対象の拡大

公安委員会が免許の取消しに係る書面の交付をしようとしたにもかかわらず、当該書面の交付を受けなかった者であって、免許証の更新を受けなかったものが、運転免許試験を受けようとする場合は、過去1年以内に取消処分者講習を終了していなければならないこととする。

3.自転車利用者対策

(1)自転車の危険な運転を防止するための講習に関する規定の整備

公安委員会は、交通に危険を及ぼす一定の行為(信号無視、しゃ断踏切立入等)を反復して行った自転車の運転者に対し、その者による危険な運転を防止するため必要があると認めるときは、公安委員会の行う自転車の危険な運転を防止するための講習の受講を命ずることができる。

(2)自転車の制動装置に係る検査及び応急措置命令等の規定の整備

警察官は、道路交通法第63条の9第1項の内閣府令で定める基準に適合する制動装置(ブレーキ)を備えていないため交通の危険を生じさせるおそれがある自転車と認められるものが運転されているときは、当該自転車を停止させ、及び当該自転車の制動装置について検査をすることができる。

また、この場合において、警察官は、当該自転車の運転者に対し、道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要な応急の措置をとることを命じ、また、応急の措置によっては必要な整備をすることができないと認められる自転車については、当該自転車の運転を継続してはならない旨を命ずることができる。

(3)自転車の通行方法に関する規定整備

軽車両の路側帯通行を、道路の左側部分に設けられた路側帯に限ることとする。

4.施行日

平成25年6月14日(公布日)から1年内の政令で定める日

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