近年、産業部門だけでなく、民生部門においても省エネルギー対策を一層進めることが求められており、また、電力の需給の早期安定化の観点から、供給体制の強化に万全を期すとともに、需要側においても、普及が進みつつある蓄電池やエネルギー管理システム等が有効に活用されるよう、省エネ法の一部が改正されました。
1.法律改正の背景
わが国経済の発展のためには、エネルギー需給早期安定化が不可欠であり、供給体制の強化に万全を期す必要があること。
その上で、需要サイドにおいては、持続可能な省エネを進めていく観点から省エネ法の改正を実施し、所要の措置を講じることが求められていたこと。
2.法律改正の概要
(1)省エネ法の一部改正
ア.建築材料等に係るトップランナー制度の創設
これまでのトップランナー 制度は、エネルギーを消費する機械器具が対象でした。
今般、自らエネルギーを消費しなくても住宅・ビルや他の機器等のエネルギーの消費効率の向上に資する製品を新たにトップランナー制度の対象に追加されます。
具体的には、建築材料等(窓、断熱材等)を想定しており、これにより、 企業の技術革新を促し、住宅・建築物の断熱性能の底上げを図ることとしています。
イ.電力ピークの需要家側における対策(工場、輸送等)
需要家が、従来の省エネ対策に加え、蓄電池やエネルギー管理システム[BEMS(※注1)・HEMS(※注2)]、自家発電の活用等により、電力需要ピーク時の系統電力の使用を低減する取組を行った場合に、これをプラスに評価できる体系にされます。(具体的には、省エネ法の努力目標の算出方法の見直し)。
(2)省エネ・リサイクル支援法の廃止
「平成25年3月31日までに廃止するものとする。」と規定されている省エネ・リサイクル支援法が廃止されます。
3.施行期日
(1)省エネ法の一部改正関係
公布の日から起算して1年3ケ月を超えない範囲内において政令で定める日
(2)省エネ・リサイクル支援法の廃止関係
公布の日(平成25年5月31日)
※注1:BEMSとは、Building and Energy Management Systemの略で、ビル管理システムのこと。ビルの機器・設備等の運転管理によってエネルギー消費量の削減を図るためのシステムのことです。
※注2:HEMSとは、Home Energy Management Systemの略で、家庭内のエネルギーを効率よくコントロールできるシステムのことです。