財政再建及び日本再興戦略(成長戦略)の着実な実施を目指し、国内産業の生産性向上、事業再編、研究開発の促進、中小企業投資促進税制の拡充・延長さらに償却資産課税の抜本的見直し等を柱とした経済産業省の平成26年度税制改正要望が公表されています。

経済産業省の平成26年度税制改正要望の概要

Ⅰ−1 生産性向上を促す設備等投資促進税制の創設

・今後3年間で、設備投資を2012年度の約63兆円から、リーマンショック前の水準(年間約70兆円)に回復させることを目指す。

・生産設備の使用期間(設備年齢)が上昇し、生産性や1人当たり給与が伸び悩み。そのため、生産性の向上に資する「質」の高い設備等の投資を促すための税制措置を講ずる。

Ⅰ−2 事業再編を促進する税制の創設

・わが国では1つの事業部門に多くの事業者が存在し、その利益率は極端に低くなっている状況。

・また、個社では十分活用できないものの、他社の経営資源と融合することで、成長が期待できる事業が存在。

・大胆な事業再編に踏み切る企業に税制措置を講ずることで、成長に向けた流れを後押し。

Ⅰ−3 企業のベンチャー投資促進税制の創設

・ベンチャー企業が大きく成長するためには、事業拡張期において、製品等の量産体制確立や販路拡大等が必要。そのため、大規模な資金供給能力や経営ノウハウを持つベンチャーファンド・事業会社の支援が有効。

・しかし、リーマンショックにより、事業会社等からベンチャーファンドへの資金供給が大きく減少。

・そのため、ベンチャーファンドへの主要な資金供給元である企業に対し、税制優遇措置を講ずる。

Ⅰ−4 研究開発税制の拡充・延長

・「日本再興戦略」において、民間研究開発投資を今後3年以内に対GDP比率で世界第1位に復活することを目指し、研究開発税制の活用促進など企業の研究開発投資環境を整備することを決定。

・研究開発税制により、企業の研究開発投資を促し、イノベーションの加速を通じたわが国の成長力・国際競争力の強化を図る。

Ⅰ−5 中小企業投資促進税制の拡充・延長

・中小企業投資促進税制は、中小企業における生産性、事務能率の向上等を図るため、一定の設備投資を行った場合に、税額控除(7%)又は特別償却(30%)の選択適用を認める措置。

・中小企業の生産性向上を更に促すため、ソフトウエアや関連設備等に係る税制措置の拡充を図る。

Ⅰ−6 償却資産課税の抜本的見直し

・工場の償却資産(設備等)に対する固定資産税は、国際的に稀な制度。

・中小企業にも課税されるため、中小企業の設備投資を阻害。

Ⅱ 車体課税の抜本的見直し

・自動車市場の拡大を通じて自動車産業ひいては日本経済全体の活性化を図るため、自動車取得税の二段階での廃止や自動車重量税のグリーン化等の見直しを図る。

Ⅲ−1 中小企業者の少額減価償却資産の特例措置の延長

・中小企業者が30万円未満の減価償却資産を取得した場合、当該減価償却資産の合計額300万円を限度として、全額損金算入(即時償却)を認める制度。

・本制度の延長により、中小企業者における、(ア)減価償却資産の管理や申告手続などの事務負担の軽減、(イ)パソコン等の少額減価償却資産の取得促進による事務処理能力・事業効率の向上を図る。

Ⅲ−2 中小企業者の交際費課税の特例措置の延長

・法人が支出した交際費は租税特別措置法により、原則として損金不算入とされている。

・中小法人については、大法人と比べて販売促進手段が限られており、交際費は中小法人の事業活動に不可欠な経費であるため、定額控除限度額(800万円)までの交際費の損金算入を認める特例措置を延長する。

Ⅲ−3 小規模事業者の振興を図る税制措置の整備

・小規模事業者は重要な経済主体である一方で、経営資源が制約されており、厳しい経営環境に置かれている。こうした状況等を踏まえ、小規模事業者の振興を図るための「基本法」の制定を目指す。

・この「基本法」制定等と合わせて、小規模事業者の約6割を占める個人事業主について、純損失の繰越控除期間を3年間から5年間に延長するなど、所要の税制措置を講ずる。

Ⅲ−4 中心市街地活性化のための税制措置の創設

・少子高齢化の進展や都市機能の郊外移転により、中心市街地における商機能の衰退や空き店舗、未利用地の増加に歯止めが掛からない状況。

・地域経済の持続的な成長を促すため、法改正(検討中)により創設する「中心市街地特区(仮称)」において、商業・サービス業の活性化に資する空き店舗対策や設備投資等のための税制措置を講ずる。

Ⅳ−1 再生可能エネルギー発電設備に係る課税標準の特例措置の延長

・再生可能エネルギーの普及は、国内エネルギー資源の拡大というエネルギー安全保障の強化、低炭素社会の創出に加え、エネルギー関連産業の創出・雇用拡大の観点から重要。

・再生可能エネルギーの最大限の普及を図るため、設備保有の初期段階の経済的負担を軽減する。

Ⅳ−2 海外投資等損失準備金制度の延長

・わが国の資源確保を巡る状況は厳しく、資源の「安定的」かつ「安価」な供給を確保することが課題。しかし、資源開発は巨額の資金を要し、リスクも大きい。

・このため、わが国企業による自主開発の推進を通じて、資源・エネルギーの安定供給の確保を図る。

Ⅳ−3 石油精製過程での非製品ガスの石油石炭税の還付制度の創設

・災害時も石油供給を担う石油精製事業を取り巻く経営環境は、国内需要の急速な減少や国際競争の 激化等を背景にして悪化。

・平成25年度与党税制改正大綱の検討事項を踏まえ、石油精製事業の経営基盤を維持・強化し、国際 競争力を強化するため、精製プロセスで不可避的に発生するが、商品価値が無く、販売できないガス(非製品ガス)に係る石油石炭税の還付制度の創設を図る。

Ⅴ−1 法人実効税率の引下げ・地方法人課税の見直し

・わが国の法人実効税率は、国際水準に比べて高く、国内投資と雇用の拡大、立地競争力の強化等の観点から、その引下げは重要な課題。

・特に、地方法人課税について、税制の抜本的な改革による地方消費税の充実などを踏まえ、地方法人特別税等の抜本的な見直しが必要。

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