10月30日、厚生労働省は、「高年齢者の雇用状況」(6月1日現在)の集計結果を公表しました。それによりますと改正高年齢者雇用安定法が4月に施行されてから初のもので、希望者全員が65歳以上まで働ける企業は、9万5,081社で、前年よりも2万6,534社、率にして17.7ポイント増加しています。
■平成25年「高年齢者の雇用状況」集計結果概要
「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」では65 歳までの安定した雇用を確保するため、企業に「定年の廃止」や「定年の引上げ」、「継続雇用制度の導入」のいずれかの措置(高年齢者雇用確保措置)を講じるよう義務付け、毎年6月1日現在の高年齢者の雇用状況の報告を求めています。
今回の集計結果は、この雇用状況を報告した従業員31人以上の企業約14万社の状況をまとめたものです。なお、この集計では、従業員31 人〜300 人規模を「中小企業」、301 人以上規模を「大企業」としています。
【集計結果の主なポイント】
Ⅰ.高年齢者雇用確保措置の実施状況
高年齢者雇用確保措置を「実施済み」の企業の割合は92.3%
・中小企業⇒91.9%
・大企業⇒95.6%
※平成25年4月に制度改正(継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止)があった
(参考)制度改正前の「実施済み」の企業の割合と比較すると5.0ポイントの減少
Ⅱ.希望者全員が65歳以上まで働ける企業は大幅増加
(1)希望者全員が65歳以上まで働ける企業は、95,081社(対前年差26,534社増加)、割合は66.5%(同17.7ポイント増加)
・中小企業では、87,828社(同22,841社増加)、68.5%(同16.8ポイント増加)
・大企業では、7,253社(同3,693社増加)、48.9%(同24.6ポイント増加)で、制度改正により大幅に増加、特に大企業は倍増
(2)70歳以上まで働ける企業は25,993社(同318社増加)、割合は18.2%(同0.1ポイント減少)
・中小企業では24,365社(同313社増加)、19.0%(同0.1ポイント減少)
・大企業では1,628社(同5社増加)、11.0%(同0.1ポイント減少)で、中小企業の取り組みの方が進んでいる
Ⅲ.定年到達者に占める継続雇用者の割合
過去1年間の60歳定年企業における定年到達者(366,755人)のうち、継続雇用された人は280,482人(76.5%)、継続雇用を希望しない定年退職者は81,842人(22.3%)、継続雇用を希望したが継続雇用されなかった人は4,431人(1.2%)
※今回の集計における定年到達者については、平成24年6月1日〜平成25年3月31日の10か月間は改正前の旧制度下の状況、平成25年4月1日〜平成25年5月31日までの2か月間は改正後の状況となっている。