厚生労働省では、高年齢者を65歳まで雇用するための「高年齢者雇用確保措置」の実施状況など、平成25 年「高年齢者の雇用状況」(6月1日現在)の集計結果について公表しています。これは、平成25年4月1日の改正高年齢者雇用安定法の施行後としては初めての結果の公表となるものです。
高年齢者の雇用状況の概要
「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」では65 歳までの安定した雇用を確保するため、企業に「定年の廃止」や「定年の引上げ」、「継続雇用制度の導入」のいずれかの措置(高年齢者雇用確保措置)を講じるよう義務付け、毎年6月1日現在の高年齢者の雇用状況の報告を求めています。
今回の集計結果は、この雇用状況を報告した従業員31人以上の企業約14万社の状況についてまとめられたもので、当該集計では、従業員31人〜300人規模を「中小企業」、301人以上規模を「大企業」とされています。
1.高年齢者雇用確保措置の実施状況
高年齢者雇用確保措置を「実施済み」の企業の割合は、92.3%
・中小企業⇒91.9%
・大企業⇒95.6%
※平成25年4月に制度改正(継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止)があった。
2.希望者全員が65歳以上まで働ける企業は大幅増加
(1)希望者全員が65歳以上まで働ける企業は95,081社(対前年差26,534社増加)、割合は66.5%、(同17.7ポイント増加)
・中小企業⇒87,828社(同22,841社増加)、68.5%(同16.8ポイント増加)
・大企業⇒7,253社(同3,693社増加)、48.9%(同24.6ポイント増加)
※制度改正により大幅に増加、特に大企業は倍増。
(2)70歳以上まで働ける企業は25,993社(同318社増加)、割合は18.2%(同0.1ポイント減少)
・中小企業⇒24,365社(同313社増加)、19.0%(同0.1ポイント減少)
・大企業⇒1,628社(同5社増加)、11.0%(同0.1ポイント減少)
※中小企業の取り組みの方が進んでいる。
3.定年到達者に占める継続雇用者の割合
過去1年間の60歳定年企業における定年到達者(366,755人)のうち、
・継続雇用された人⇒280,482人(76.5%)、
・継続雇用を希望しない定年退職者⇒81,842人(22.3%)、
・継続雇用を希望したが継続雇用されなかった人⇒4,431人(1.2%)
※今回の集計における定年到達者については、平成24年6月1日〜平成25年3月31日の10か月間は改正前の旧制度下の状況、平成25年4月1日〜平成25年5月31日までの2か月間は改正後の状況となっている。