本格的な人口減少社会の到来を迎え、少子高齢化を背景に労働力人口が減少しつつあり、女性や高齢者等の活躍推進のための様々な政策が課題となっています。総務省統計局は、特に女性や高齢者の就業状況について、平成24年就業構造基本調査の結果を取りまとめ公表しています。
■調査結果の概要
1.15〜64歳人口(生産年齢人口)の就業状況
平成24年10月1日現在の15歳以上人口(1億1,081万5千人)のうち15〜64歳人口(生産年齢人口)は8,002万7千人となっており、24年以降いわゆる「団塊の世代」が65歳に達し始めたことなどから、19年と比べると、281万5千人の減少となっています。
就業状態別:有業者⇒5,788万7千人
無業者⇒2,216万人
2.女性の就業状況
(1) 就業状態の推移
女性の有業率を年齢階級別に平成19年と比べると、25〜39歳及び50〜64歳の各年齢階級で上昇。
特に「30〜34歳」が4.7ポイント上昇しています。
(2)「夫婦と子供のいる世帯」の妻の就業状態
子供を持つ女性の有業率は、25〜39歳の各年齢階級で上昇し、年齢階級が高くなるほど有業率も高くなり、「40〜44歳」では66.2%となっています。
(3) 出産・育児と就業希望
15〜64歳女性の無業者(1,468万6千人)について、就業希望の有無、求職活動の有無別にみると、
就業希望者⇒590万2千人、うち非求職者(求職活動をしていない人)は344万7千人。
・344万7千人の非求職者について、非求職理由の最上位は、
「出産・育児のため」⇒113万4千人(32.9%)
・「出産・育児のため」求職活動をしていない女性についての年齢階級別数値は、
「35〜39歳」⇒35万人
「30〜34歳」⇒34万6千人
(4) 都道府県別育児をしている女性(25〜44歳)の有業率:全国平均⇒52.4%
島根県⇒74.8%、山形県⇒72.5%、福井県⇒72.1%、鳥取県⇒71.8%、富山県⇒68.3%
3.高齢者の就業状況
(1) 就業状態の推移
60歳以上の就業状態の推移は、平成24年以降いわゆる「団塊の世代」が65歳に達し始めたことなどから、有業者は昭和62年の647万8千人から平成24年には1,267万4千人へと増加。また、無業者も昭和62年の1,288万人から平成24年には2,835万6千人へと一貫して増加しています。
・60歳以上の有業率を年齢階級別
「60〜64歳」⇒59.8%と最も高く、年齢階級が高くなるほど有業率は低下しています。
・60〜64歳の有業率を各歳別にみると、
「63歳」⇒128万5千人、「62歳」⇒127万3千人、「61歳」⇒120万7千人
(2) 都道府県別60歳以上の有業率:全国平均⇒30.9%
60歳以上の有業率が高い都道府県は、
長野県⇒36.3%、山梨県⇒36.0%、静岡県⇒34.4%、福井県⇒34.1%、東京都⇒34.1%