第185回臨時国会において、日本経済を再生し、産業競争力を強化することを目的に、企業の提案に基づく「規制改革」を実行するための新たな特例措置、「産業の新陳代謝」を促進するためのベンチャー投資や事業再編の促進などの措置を講じた「産業競争力強化法」が成立しました。当該法律は、平成26年1月20日に施行され、これに伴い、中小企業投資促進税制の上乗せ措置が同日から使えるようになりました。
■現行の中小企業投資促進税制措置について
個人事業主、資本金1億円以下の法人の方々については、今でも中小企業投資促進税制が措置されています。
この税制は、新品の機械などを購入した場合などに、
◎30%の特別償却(個人事業主、資本金1億円以下法人)
→普通の償却費用にプラスして、機械などの取得価額の30%を余分に費用に計上することを可能にして、当期の税負担を軽減。
◎7%の税額控除(個人事業主、資本金3千万円以下法人のみ)
→機械などの取得価額の7%を、支払うべき税金の額から控除。
を選択し、優遇措置が受けられるものです。
当該税制は、年間約37,000者の中小企業・小規模事業者で活用されています。
■中小企業投資促進税制の上乗せ措置について
当該優遇措置の内容を大きく(上乗せ措置を創設)し、投資をさらに支援するものです。
◎30%の特別償却⇒即時償却可能に
◎7%の税額控除⇒10%の税額控除
(個人事業主、資本金3千万円以下法人の税額控除をさらに深掘り)
⇒税額控除の適用範囲を拡大
(資本金3千万円超法人でも税額控除を利用可能に)
Q:上乗せ措置はいつから使えるか?
産業競争力強化法の施行日の平成26年1月20日から購入等をした機械装置などが、上乗せ措置の対象となっています。
Q:どのような設備を購入しても使えるのか?
今回の上乗せ措置の対象は、特に生産性の向上に資する以下の設備が対象です。
(最低価額の要件がありますので御注意ください。)
★機械装置
・最新モデル(NC旋盤などソフトウエアが組み込まれた機械は一代前モデルも含む。)、かつ、年平均1%以上の生産性向上要件を満たすもの
★サーバー(サーバー用OSを同時に取得するもの)
・最新モデル、かつ、年平均1%以上の生産性向上要件を満たすもの
★試験又は測定機器
・最新モデル、かつ、年平均1%以上の生産性向上要件を満たすもの
※最新モデル、生産性向上要件は、設備メーカーが工業会等から証明書をとることになっています。
ユーザーである中小企業・小規模事業者の方の追加事務は原則ありません。
★ソフトウエア(設備の稼働状況等の情報収集・分析・指示機能を持つもの)
※ソフトウエアが設備の稼働状況等の情報収集・分析・指示機能を持つかどうかは、ソフトウエアを提供するベンダー側で、工業会等の証明書をとることになっています。ユーザーである中小企業・小規模事業者の方の追加事務は原則ありません。
★生産ラインやオペレーションの改善に資する設備(投資計画を作成し、投資利益率が5%以上であることについて地方経済産業局の確認を受けた投資計画に記載されたもの)
※投資計画は、税理士等の確認を受けて作成することが必要となります。なお、投資利益率の計算は、「((営業利益+減価償却費)の増加額)÷設備投資額 」の式で算出されます。
※投資計画に記載された機械装置、測定工具・検査工具、電子計算機、デジタル複合機、試験又は測定機器、ソフトウエアが中小企業投資促進税制の上乗せ措置の対象です。