事業場における労働時間、年次有給休暇などに関する事項についての規定を、労働者の生活と健康に配慮するとともに多様な働き方に対応して改善すること及び仕事と生活の調和の推進のため、終日在宅で就業するテレワークに取り組む中小企業事業主に対して、その実施に要した費用の一部を助成する制度が新設されました。
■テレワークコース助成金の概要
◎支給対象となる事業主
支給対象となる事業主は、次のいずれにも該当する事業主です。
(1)労働者災害補償保険の適用事業主であること
(2)次のいずれかに該当する事業主であること
業 種 | A.資本または出資額 | B.常時雇用する労働者 |
小売業(飲食店を含む) | 5,000万円以下 | 50人以下 |
サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
その他の業種 | 3億円以下 | 300人以下 |
(3)テレワークを新規で導入する事業主であること(試行的に導入している事業主を含む)
(4)労働時間等の設定の改善を目的とした終日在宅で就業するテレワークの実施に積極的に取り組む意欲があり、かつ成果が期待できる事業主であること
◎支給対象となる取組
いずれか1つ以上実施する必要があります。
・テレワーク機器等購入経費(※)
・保守サポート料、通信費
・クラウドサービス使用料
・就業規則・労使協定等の作成・変更
・労務管理担当者や労働者に対する研修、周知・啓発
・外部専門家によるコンサルティング
(社会保険労務士など)
※パソコン、タブレット、スマートフォンは対象となりません。
◎成果目標の設定
支給対象となる取り組みは、以下の「成果目標」を両方達成することを目指して実施すること。
・評価期間に1回以上、対象労働者全員に、終日在宅で就業するテレワークを実施させる。
・評価期間において、対象労働者が終日在宅でテレワークを実施した日数の週間平均を、1日以上とする。
◎成果目標の評価期間
成果目標の実績評価期間は、事業実施期間中で、1か月から6か月を設定すること。
◎支給額
取り組みの実施に要した経費の一部を、目標達成状況に応じて支給する。
対象経費 | 助成額 |
謝金、旅費、借損料、会議費、通信運搬費、雑役務費、印刷製本費、備品費、機械装置等購入費、消耗品費、委託費
※契約形態が、リース契約、ライセンス契約、サービス利用契約などで成果目標の評価期間を超える契約の場合は、評価期間係る経費のみが対象 | 対象経費の合計額×補助率 (上限額を超える場合は上限額(※))
(※)「1人当たりの上限額」×対象労働者数 又は「1企業当たりの上限額」のいずれか低い方の額 |
成果目標の達成状況 | 達成 | 未達成 |
補助率 | 3/4 | 1/2 |
1人当たりの上限額 | 6万円 | 4万円 |
1企業当たりの上限額 | 150万円 | 100万円 |
【具体例】
・例えば、従業員100人の企業で、総務、経理部門
・5人に1人当たり10万円の機器を導入する場合
所要額:10万円×5人=50万円
→4万円×5人=20万円を助成
※目標を達成した場合は、6万円×5人=30万円を助成