今回の著作権法改正では、近年、デジタル化・ネットワーク化の進展に伴い、電子書籍が増加する一方、出版物が違法に複製され、インターネット上にアップロードされた海賊版被害が増加していることから、紙媒体による出版のみを対象としている現在の出版権制度を見直し、電子書籍に対応した出版権の整備が行われました。

■改正法の概要

1.電子書籍に対応した出版権の整備 (第79条、第80条、第81条、第84条等関係)

(1)出版権の設定(第79条関係)

著作権者は、著作物について、以下の行為を引き受ける者に対し、出版権を設定することができる。

ア)文書又は図画として出版すること(記録媒体に記録された著作物の複製物により頒布することを含む) 【紙媒体による出版やCD-ROM等による出版】

イ)記録媒体に記録された著作物の複製物を用いてインターネット送信を行うこと

【インターネット送信による電子出版】

(2) 出版権の内容(第80条関係)

出版権者は、設定行為で定めるところにより、その出版権の目的である著作物について、次に掲げる権利の全部又は一部を専有する。

ア)頒布の目的をもって、文書又は図画として複製する権利(記録媒体に記録された電磁的記録として複製する権利を含む)

イ)記録媒体に記録された著作物の複製物を用いてインターネット送信を行う権利

(3) 出版の義務・消滅請求(第81条、第84条関係)

ア)出版権者は、出版権の内容に応じて、以下の義務を負う。ただし、設定行為に別段の定めがある場合は、この限りでない。

・原稿の引渡し等を受けてから6カ月以内に出版行為又はインターネット送信行為を行う義務

・慣行に従い継続して出版行為又はインターネット送信行為を行う義務

イ.著作権者は、出版権者が前記アの義務に違反したときは、義務に対応した出版権を消滅させることができる。

2.視聴覚的実演に関する北京条約(※注)の実施に伴う規定の整備 (第7条関係)

視聴覚的実演条約を締結するため、著作権法の保護を受ける実演に、視聴覚的実演条約の締約国の国民が行う実演を加える。

3.施行期日

平成27年1月1日(2.については、視聴覚的実演条約がわが国について効力を生ずる日)

(※注)視聴覚的実演に関する北京条約 (2012年採択、未発効)

◎条約の趣旨

・デジタル化・ネットワーク化の進展に対応した実演家(俳優・舞踏家等)の権利の保護

◎保護の対象

・視聴覚的実演=音や影像のパフォーマンス

・生の実演+DVD等に固定された実演

◎規定の内容

・実演家の権利(著作隣接権)の保護

・人格権=氏名表示権・同一性保持権(名誉等を害する改変の禁止)

・財産権=実演の録画・複製・放送等の許諾権

・技術的手段(コピープロテクション等)の回避の防止

・電子透かし等により付加された権利管理情報の改変の防止

◎条約締結の意義

・国際的な規範の確立 →締約国内でわが国の実演家の視聴覚的実演に関する権利が保護される

・わが国が交渉をリード→ 条約の早期発効に向け率先して締結→ 実演家保護の国際的な取組に貢献

(わが国は、公の場におけるDVDの再生等につき条約に基づく留保を付す予定)

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