労働者の心理的な負担の程度を把握するため、事業者に医師、保健師等による検査(ストレスチェック)の実施を義務づけることや受動喫煙防止対策などを内容とする改正労働安全衛生法が、6月19日の衆院本会議で可決、成立しました。

■改正労働安全衛生法の概要

1.化学物質管理のあり方の見直し

・一定の危険性・有害性が確認されている化学物質(安全データシート(SDS)の交付が義務づけられている640物質)について、事業者に危険性又は有害性等の調査(リスクアセスメント)を義務付ける。

2.ストレスチェック制度の創設

・精神障害の労災認定件数が3年連続で過去最高を更新するなど増加している。

平成21年度:234件 ⇒22年度:308件 ⇒23年度:325件 ⇒24年度:475件

・労働者の心理的な負担の程度を把握するための、医師、保健師等による検査(ストレスチェック)の実施を事業者に義務づける。ただし、従業員50人未満の事業場については、当分の間努力義務とする。

・ストレスチェックを実施した場合には、事業者は、検査結果を通知された労働者の希望に応じて医師による面接指導を実施し、その結果、医師の意見を聴いた上で、必要な場合には、作業の転換、労働時間の短縮その他の適切な就業上の措置を講じなければならないこととする。

・国は、ストレスチェックを行う医師、保健師等に対する研修の充実・強化、労働者に対する相談・情報提供体制の整備に努めるものとする。

3.受動喫煙防止対策の推進

・受動喫煙を防止するため、事業者及び事業場の実情に応じ適切な措置を講ずることを事業者の努力義務とする。

・受動喫煙防止対策に取り組む事業者に対し、国は、受動喫煙の防止のための設備の設置の促進等の必要な援助に努めるものとする。

【受動喫煙防止対策助成金】

・助成対象:全ての業種の中小企業事業主

・助成対象:喫煙室の設置のための費用

・助成率等:上記費用の1/2(上限200万円)

4.重大な労働災害を繰り返す企業への対応

同様の重大な労働災害が同一企業の別の事業場で繰り返し発生する事案が散見。

・安全衛生関係法令に違反し、一定期間内に同様の重大な労働災害を複数の事業場で繰り返し発生させた企業に対し、改善計画の作成等を指示できる仕組みを創設する。 ※具体的な要件は省令等で定める予定。

・企業が計画の作成指示や変更指示に従わない場合や計画を実施しない場合は勧告を行い、勧告に従わない場合に企業名を公表する仕組みを創設する。

5.外国に立地する検査機関等への対応

世界的に貿易の障壁の撤廃に向けた動きが進む中で、国際化に対応する観点から規制を見直す必要がある。

・ボイラーなど特に危険性が高い機械を製造等する際に受けなければならないこととされている検査等を行う機関(登録検査・検定機関)のうち、日本国内に事務所のない外国に立地する機関についても登録を受けられることとする。

6.規制・届出の見直し等

・規模の大きい工場等で、建設物、機械等の設置・移転等(生産ライン等の新設・変更)を行う場合の事前届出を廃止する。

・特に粉じん濃度が高くなる作業に従事する際に使用が義務づけられている電動ファン付き呼吸用保護具を型式検定・譲渡制限の対象に追加する。

◎施行期日

公布の日(平成26年6月25日)から起算して、それぞれ6は6ケ月、3・4・5は1年、2は1年6ケ月、1は2年内の政令で定める日

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