雇用保険の基本手当は、労働者が離職した場合に、失業中の生活を心配することなく再就職活動できるよう支給されるものです。この程、厚生労働省は、8月1日(木)から雇用保険の「基本手当日額」を変更することを公表しました。今回の変更は、平成25年度の平均給与額が平成24年度と比べて約0.2%低下したことに伴うものです。
■基本手当日額の変更概要
「基本手当日額」は、離職前の賃金を基に算出した1日当たりの支給額をいい、給付日数は離職理由や年齢などに応じて決められています。
(1)基本手当日額の最低額の引下げ
1,848 円→1,840円(△8円)
(2)基本手当日額の最高額の引下げ
基本手当日額の最高額は、年齢ごとに以下のようになります。
・60歳以上65歳未満:6,723 円→6,709円(△14円)
・45歳以上60歳未満:7,830 円→7,805円(△25円)
・30歳以上45歳未満:7,115 円→7,100円(△15円)
・30歳未満:6,405 円→6,390円(△15円)
(3)失業期間中に自己の労働による収入がある場合の基本手当の減額の算定に係る控除額(※)の引下げ
平成26年8月1日以後、1,289円→1,286円と引き下げられる。
(例)賃金日額7,000円、基本手当の日額4,885円の者(60歳未満)が、失業の認定に係る期間(28日間)中に2日間内職し、内職により6,000円を得た場合の認定期間(28日分)の基本手当の支給額
1日当たりの減額分は、
〔(6,000円/2−1,286円)+4,885円〕−7,000円×80% = 999円
基本手当の支給額は、
4,885 円×(28日−2日)+(4,885円−999円)×2日= 134,782円
※控除額とは、
ア.失業の認定に係る期間中に自己の労働によって収入を得た場合、収入から控除額を控除した額と基本手当の日額との合計額が賃金日額の80%相当額を超えるとき、当該超える額の分だけ基本手当の日額は減額される。
イ.上記収入が賃金日額の80%相当額を超えるときは、基本手当は支給されない。
(4)高年齢雇用継続給付の算定に係る支給限度額(※)の引下げ
平成26年8月以後、341,542円(注)→ 340,761円と引き下げられる。
(注)平成26年6月18日に毎月勤労統計の過去の実数値が訂正されたことに伴い、平成26年7月31日までの支給限度額について341,542円から341,538円に訂正しているが、受給者への影響を考慮し、従前通りの額を支払うこととしている。
※支給限度額とは、
ア.支給対象月に支払われた賃金の額が支給限度額以上であるときは、高年齢雇用継続給付は支給されない。
イ.支給対象月に支払われた賃金の額と高年齢雇用継続給付との合計額とが支給限度
限度を超えるときは、「(支給限度額)−(支給対象月に支払われた賃金の額)」が高年齢雇用継続給付の支給額となる。