本年4月に成立した改正パートタイム労働法を受け、関連する省令及び指針案が労働政策審議会から答申され、厚労省では省令等の作業を進めてきました。そして、7月24日、通勤手当を一律に均衡確保の努力義務の対象とすること等を盛り込んだ省令及び告示が公布されました。

■改正パートタイム労働法のポイント

1.正社員と差別的取扱いが禁止されるパートタイム労働者の対象範囲の拡大

正社員と差別的取扱いが禁止されるパートタイム労働者については、これまで、(1) 職務内容が正社員と同一、(2) 人材活用の仕組み(人事異動等の有無や範囲)が正社員と同一、(3) 無期労働契約を締結しているパートタイム労働者であることとされていました。

改正後は、(1)、(2) に該当すれば、有期労働契約を締結しているパートタイム労働者も正社員と差別的取扱いが禁止されます。

2.「短時間労働者の待遇の原則」の新設

事業主が、雇用するパートタイム労働者の待遇と正社員の待遇を相違させる場合は、その待遇の相違は、職務の内容、人材活用の仕組み、その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならないとする、広く全ての短時間労働者を対象とした待遇の原則の規定が創設されます。

改正後は、パートタイム労働者の待遇に関するこうした一般的な考え方も念頭に、パートタイム労働者の雇用管理の改善を図っていくこととなります。

3.パートタイム労働者を雇い入れたときの事業主による説明義務の新設

事業主は、パートタイム労働者を雇い入れたときは、実施する雇用管理の改善措置の内容について、説明しなければならないこととなります。

4.パートタイム労働者からの相談に対応するための事業主による体制整備の義務の新設

事業主は、パートタイム労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制を整備しなければならないこととなります。

5.施行日

平成27年4月1日

■厚生労働省令及び告示ついて

労働政策審議会から答申された省令・告示案要綱案に基づき、厚労省は、7月24日付官報で改正省令及び改正告示を公布しました。

◎短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律施行規則の一部を改正する省令

(平成26年7月24日厚生労働省令第八十五号)

・短時間労働者に対して明示しなければならない労働条件に関する事項に「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する事項に係る相談窓口」が追加されました。

・通勤手当のうち「職務の内容に密接に関連して支払われるもの」については、均衡確保の努力義務の対象となる賃金に含まれるものとされました。

◎事業主が講ずべき短時間労働者の雇用管理の改善等に関する措置等についての指針の一部改正

(平成26年7月24日厚生労働省告示第293号)

・事業主は、短時間労働者が、待遇の決定に当たって考慮した事項の説明を求めたことを理由として不利益な取扱いをしてはならないこと。また、短時間労働者が、不利益な取扱いをおそれて、当該説明を求めることができないことがないようにすること。

・短時間労働者が、親族の葬儀等のために勤務しなかったことを理由として解雇等が行われることは適当でないものであること。

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