長時間労働や休暇が取れない生活が常態化すれば、メンタルヘルスに影響を及ぼす可能性が高くなり、しかも生産性は低下します。また、離職リスクの上昇や企業イメージの低下など、さまざまな問題を生じさせることとなります。この程、厚生労働省は、会社がこれらの改善に向けた検討を行う際のツールとして「働き方・休み方改善指標」を開発し公表しました。
■働き方・休み方改善指標の概要
「働き方・休み方改善指標」を用いることで、長時間労働や年次有給休暇に関する状況を把握しやすくなります。この指標の構成は、次のとおりです。
企業向け・・・ポジションマップ(問題の有無を知る)、レーダーチャート(具体的な課題を知る)
社員向け・・・チェックリスト(自身の働き方・休み方を再確認する)
「企業向け」は、人事労務担当者が記入します。
「社員向け」は全社員、あるいは改善の取組を推進しようとする職種や事業場・部門等の社員を対象として実施します。
下記URL の「働き方・休み方改善ポータルサイト」で指標による診断ができます。
http://work-holiday.mhlw.go.jp
◎「働き方・休み方改善指標(企業向け)」とは?
働き方・休み方改善指標(企業向け)とは、企業の人事労務担当者が労働時間や休暇取得の実態や、これに関連する自社の取組や制度を再確認するための指標であり、今後の対策を検討する際に活用することを目的に作成するものとされています。
この指標は「ポジションマップ」と「レーダーチャート」の2つで構成されています。企業の制度及び実態の両面に焦点をあてて、その実態から明らかとなる指標の数値を分析・検証することで、長時間労働や年次有給休暇が取りにくい状況になっていないか、長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進につながる仕組みになっているかどうかの判断・評価の材料にすることができます。
◎「働き方・休み方改善指標(社員向け)」とは?
社員が各自の働き方・休み方を把握し、改善に向けた気づきを得ることも重要であることから、働き方・休み方の改善に資するために社員自身が用いる指標として27項目のチェックリストが示されています。
働き方・休み方改善指標(社員向け)は、企業で働く社員一人ひとりが自分の働き方を振り返るためのチェックリストから構成されます。これを用いることで、次のような効果が期待されます。
1)働き方・休み方に関する社員一人ひとりの仕事の進め方、仕事に関する考え方の振り返りを促すこと。
2)社員が感じる働き方・休み方に関連する社内の課題が把握できる可能性があること。